暑い。5月のくせに連日30℃を叩き出す異常な暑さのなか、少し冷ややかな角度から提起させていただきたいことがございます。今回はBLCD本編ではなく、特典のお話です。ウシヤマダが聞きたいのは、
そのフリートークCD、本当に必要ですか?
ということでございますけれども、突然なに言ってんだこいつはという戸惑いをもっていらっしゃる方もいることでしょう。だがしかし!BLCD向上委員会会長のウシヤマダ(いつ言ったんだよ)としては、言わねばならないことがあるのです!BLCDのフリートーク楽しんで聞いてますけどなにか?という方も是非、BLCDの未来のため、一緒に考えていただきたいと思います。
まず、BLCDの特典といえばフリートークCDが主流です。フリートークCDとは、本編とは別に演技を終えた声優さんたちがインタビューに答えたり、作品や収録の感想を自由に話している様子が付いてくるというものです。フリートークは必ず付いてくるというものではなく、初回特典にしか付いていない場合や、5分程度の短いものがCDの最後に収録されている場合もあります。かくいう私も、これまで推しの声優さんが出演しているBLCDのフリートークCDは必ず入手していました。それが、あるときから…
フリートークアレルギーになったのです。
なぜフリートークを楽しく聴けなくなってしまったのか。理由は3つあります。
理由その1:ノンケに絶望する
せっかく本編で作品の余韻にひたっているところに、ノンケの下ネタだの、女の好みだの、初恋がどうのこうのだのってもう、やめてくれお願いだからと思うわけです。ボーイズたちのどこまでも美しいユートピアな世界を楽しんだあとに、ノンケ男の下品な話を聞かされることは、俺たちのユートピアをハンマーで粉々にされるような絶望です。もちろん、作品の感想を真面目に答えているものもありますが、その名のとおりフリートークなので、下ネタを話していることもありますし、不適切な発言をされていることもしばしば。その証拠にBLCDのフリートークで聞かれるのが、「作品のイメージを壊す可能性があるため必ず本編から聞いてください」という注意喚起。このような注意喚起が必要になる程度の内容の薄いフリートークは、そもそも収録する意味がありません。こちとらボーイズラブが聞きたいのであって、ノンケの下世話を聞きたいのではない、ということを強く言いたい。
理由その2:インタビューが下手
内容の薄いフリートークにしないためには、制作側で、ある程度それをコントロールする必要があると思います。それは、インタビューの内容です。よくあるのが、作品のテーマや設定などに合わせて「(声優自身が)どんな学生時代を過ごされましたか」など、声優さんの個人的な話を聞き出そうとするインタビュー。いやいやいやBLCDと全然関係ねぇこと聞いちゃったよっ!(さまぁ〜ず三村風に)
そもそもBLCDで声優さん個人の話を聞き出す必要はどこにもありません。キャラクターはこうでしたが、声優さん個人はどうですかという質問は愚問です。言わずもがな声優さんは役者であって、キャラクターそのものではない。そらぁそんな質問したらノンケの絶望が返ってくるに決まっているんだよ。だからんな野暮なこたぁ聞いちゃいけねぇ。これはBLCD。声優さん個人の女の好みよりも、男と男の愛の劇場がどうだったかを聞きたいわけよ。
フリートークの質を上げるためには、ある程度インタビューの内容でコントロールすることも必要です。
理由その3:お笑い苦笑い
これについてはウシヤマダ個人が、お笑いにシビアだということが大きく影響しています。1日限定ですが、椿鬼奴と同じライブに出たことがある経験者として言わせてほしい。
フリートークで声優さんたちが、がんばって笑いをとろうとしているシーンがあります。あたりまえですが、彼らは芸人ではありません。笑いをとろうとして、結果的にただの失言や悪ふざけに終わることも少なくありません。彼らにとってはサービス精神の一つなのでしょう。しかしながらうまくない。泣きより笑いをとる方が難しいと言われるくらいですから、価値観によって不愉快にとられることもあります。素人が下手に手を出すと、大学生のサークルのノリで終わってしまう危険性がある。声優さんは喋ることが仕事ですが、だからといってトークが面白いかといったらそれは別の話ですよ。BLCDのフリートークで腹がよじれるほど笑いたいなんていう需用は限りなくゼロに近い。笑いより♪ありの~ままの~すがた~みせるのよ~♪
こんなネガティブなことばっかりいってたら、自由に話せない声優さんたちがかわいそう!プンプン!みたいな声が聞こえてきそうです。しかしそもそも声優さんたちが個人的なことを自由に話すことそれ自体が、BLCDのフリートークの目的から外れているので、それでいいのです。では、一体どんなものだったら正解なのか。
ここで文句なしのインタビューをしてくれたアニメイトタイムズの記事をご紹介
www.animatetimes.com
BLCDではないのですが、ヤリ部のOAD化のインタビュー記事です。アニメ化が決まっときの感想からはじまり、役作りや撮影現場の雰囲気など、完璧なまでに制作過程の内容しか聞いていません。正解すぎるよアニメイトタイムズさん。インタビューの質がいいので、答える側も役者としてのスタンスを守って答えることができており、小林裕介さんと濱野大輝さんの作品に対する前向きな姿勢がうかがえます。とても素晴らしいインタビューです。
フリートーク本来の在り方とはなにか
私の考えるフリートークの在り方、それは最後まで作品の余韻に浸ったままでいられることです。BLの魅力は語り尽くせないほどありますが、私たちがそこに求める欲求の一つとして、息苦しい現実の当事者から離れ、壁になってボーイズたちのユートピアを眺めていたいというものがあります。そういう人たちにとって、役を離れた声優さんたちの個人的な話題は「現実」です。夢もクソもない「現実」なのです。だからこそフリートークという場は、BLというユートピアを離れてはならない。俺たちのユートピアがどのようにして作られたのか、役者本人から聞くことができる場、それが本来の在り方なのではないでしょうか。フリートークも含めて作品の一部として考えるのならば、自然な発想だと思います。
そもそもフリートークは必要なのか
上記のヤリ部インタビューは、音声ではなく記事という形式をとっています。記事ということは、事前にインタビュー内容を伝わりやすくするために編集されています。逆に余計な情報がカットされているので、十二分に伝わります。するとはたしてフリートークは必要なのか、という疑念がわいてきます。フリートークは特典であれば、販売促進の意味をもっています。では実際のところ、販売促進としてのフリートークは購入動機に繋がっているのでしょうか。そこで、興味深いアンケケートをちるちるさんが実施していたので、みてみましょう。
www.chil-chil.net
アンケートはBLCDについて、回答者478人からデータをとったものです。4年ほど前の記事なので、最新の結果ではありません。しかし貴重なアンケートなので、参考させていただきます。
まずは以下の2つのアンケート結果をみていただきたいと思います。
質問:ほしい特典は何ですか?
1位 小冊子 76%(365人)
2位 本編おまけCD 67%(320人)
3位 フリートークCD 55%(264人)
質問:BLCDを買わない理由
1位 価格が高い 34%(163人)
2位 原作以外は興味がない 9%(42人)
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6位 声優に興味がない 7%(34人)
このアンケート結果から、ある2つの傾向がわかります。1つ目は、BLCDの購入層は原作ファンが圧倒的に多いということ。2つ目は、ドラマCDそのものに興味がない層が一定数いるということです。つまりなにが言いたいかというと、原作ファンやドラマCDそのものに興味がない層の前に、フリートークCDは無力だということです。確かに、フリートークCDを求める声も264人と半数を超えていますから、無視できない数字です。しかしながら、わざわざ3位の特典に甘んじる理由はありませんし、このアンケートの回答者は、BLCDに少なからず興味のある層であると推定され、アンケートに参加するほど興味のない層がわんさかいるわけです。ウシヤマダの使命であるBLCD100年計画(いつ言ったんだよ)のためには、腐っているけれどBLCDを買わない層をどう引っぱってくるか、これは重要課題。生き残るためには常に変化することが必要です。BLCDも例外ではなく、いつまでも特典といえばフリートークCD、という思考停止ではいけません。新しい特典を開発して、購入層を増やす努力が必要なのです。
今回はBLCDのフリートーク文化について、改めてその在り方を考えてみました。否定的な見解も書きましたが、誰が悪いということではありません。着地点はやはりBLCDの発展と向上なのです。フリートークを聞かなくなった側のファンとして、なぜ、どこが、どういう風に、改善するべき点なのか提起したかった。全てはBLCD100年計画のためなんだ…わかってくれよベイベー(誰)。
ここまでフリートークについてボロカス書いたのだから、今度はBLCDの特典研究の記事もいずれ書きたいと思います。
次回、BLCDを配信で聞ける!ポケットドラマCDってどうなの?です。