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あの三島が再びやってきた!今度はごりごりサスペンスだぜ!崎谷はるひ原作!「たおやかな真情」レビュー

 皆様、日本列島に甚大な被害をもたらした台風19号がありましたね。被災されたお一人お一人に、心よりお見舞い申し上げます。このちんけなブログが被災された方に読まれている可能性は現在限りなく0に近い状態ですが、奇跡的にそんな喜ばしいことが起きた際には、一瞬でいい、ほんの一瞬でも気持ちが現実から離れて、鼻で笑ってもらえたならば本望でございます。

 はい。ということで終盤も終盤にさしかかって参りました。本作のあとは残すところ最新作のみ。今回は前回とは打って変わってごりごりのサスペンスものでございます。そして昔懐かしあの人が登場。記憶が戻って安心したのもつかの間。じえおみは新たな局面を迎えていました・・・。

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 作品名:たおやかな真情
 原 作:崎谷はるひ著
 レーベル:Atis collection
 メインキャスト:秀島慈英(CV.三木眞一郎)× 小山臣(CV.神谷浩史)
 設 定:画家 × 刑事
 ジャンル:サスペンス/ロマンス
 エロ度:★★☆☆☆
 ラブシーン回数:2回
 ラブシーン分数:7分31秒(1回戦,2:45 / 2回戦,4:46)
 あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 画家である慈英は事件の影響で失っていた記憶を取り戻しはしたが、ときおり
事件前後の人格が混濁するという後遺症に悩まされていた。恋人で刑事の臣とも
ぎくしゃくしていた。そんななか慈英の同級生で強い執着から臣に対して暴力沙汰を
起こした三島が訪ねてくる。二人はある人物を預かってほしいと頼まれて・・・?
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 ◾️どの面さげておいでなすって?
 冒頭で独白している人物、こいつどの面さげて出てきやがったんだ!と驚きました。長野の風である皆さんには説明するまでもなく、シリーズ2作目にあたる「ひめやかな殉情」で、慈英に異常なまでに執着するキャラクターとして登場したキテレツ野郎こと、三島慈彦!この方どの面さげて、堂々のご登場です。前回登場時は目も当てられない醜態を晒した三島でしたが、は?え?そんなことありましたっけ?ぐらいのテンションで臣に電話をかけてくる。勝手に恩を打ったとかなんとか言って、駐在所に直接アポイントもなしで押しかけてくるのですが、過去にあったことを全く意識していないような態度で、それがまたどの面さげて感を増し増しにさせる。どこまでも肝の据わった野郎です。

 ◾️終わっていない強盗事件
 冒頭で三島が語っているように、前作で起きた慈英の習作が盗まれたうえに、本人が被害者にもなった強盗事件はまだ終わっていません。三島はネットオークションで慈英の贋作を30万で落札し、慈英のエージェントである御崎さんに送りつけるのですが、筆者の理解力だと贋作だの習作だのソングドッグだの、いろいろ出てきて混乱。

 ・贋作:強盗事件とは別の者が出品/三島が30万円で落札し御崎さんへ送りつける
 ・習作:強盗事件で盗まれたもの/ソングドッグという名の落札者が買い占め落札

 今回は贋作を三島が買い取ることで慈英、というより臣につけこんで、自身が執心する宗教団体「光臨の導き」現総代の上水流壱都(以下、壱都)の保護を、二人に依頼しにきたというわけです。臣は慈英本人がどうでもいいと言う習作でも、取り戻したいという気持ちがあるし、強盗事件の証拠品が出回っているという情報を聞いた以上警察官としても無視できません。慈英の台詞にもあるように、嫌なところ突いてきますよねえ。三島らしいといえばそうですが。

 終わっていないのは強盗事件そのものだけではない。むしろここが重要だ。

 慈英β、ま だ お る や ん。

 (慈英βとは前作で記憶を失って人格の変わった慈英の呼称)長野の風の皆さんならわかると思いますが、慈英が臣に怒るときというのは、臣の身の危険を感じたときや、卑屈になって自虐的な言動をとったときだけなんですよ。怒るといっても一方的に感情をむき出しにするようなことは絶対にしなかった。籍を入れる時期で揉めているときの台詞で、

 「待つのはもうずっと待ってますよ、俺は!」

 と強い口調で言うのにしたって、臣の考えとか気持ちとか全然寄り添ってない。完全に慈英βだし、もしかすると慈英βよりもたちが悪いですよ。前作の慈英βは記憶を失ったというハンディキャップの分、同情することができました。ただ、これも記憶障害の後遺症やら御崎さんの進退問題、海外拠点のことなど、一筋縄ではいかない問題を抱えているなかでのことで、あまり慈英を責めることもできない。慈英はとにかく臣と永遠に一緒にいたいという気持ちが強いぶん、それを強固にするための手段として公的な書面の上でも繋ぎ止めておきたいのでしょう。記憶を失う前は、臣が納得するまで待つと言っていた過去の慈英を知っている身からすると、絶対にしないことをしてるなあと悲しくなってしまいますねえ。

 ◾️上水流壱都の声優問題
 この問題は真っ二つに別れる議論があると思うのですが・・・

 壱都、女にしか聞こえないぜ?問題

 筆者は少年に女性声優を当てるのは反対派でして。特異なスキルをお持ちの方もいらっしゃいますよもちろん!高山みなみさんとか、皆川純子さんとか野沢雅子さんなんかはもう次元が違うのは、そらもちろんそうなんです。だた今回の声優さんのキャスティングに関してはミステイクかなと。女性を当てるにしてもせめてもう少し少年っぽさが欲しかった。BLですからね。演技は申し分ないと思います。けれどどう考えても20歳男性の声帯じゃねえ。もうこれは個人的な希望ですが、あえて声の高くない声優さんが演じた方が、少年っぽさが出て中性的だけれど男の子というのがわかるスパイスが効いていいのではないかと。石田彰師範代あたりでしたら完璧に演じられると思いますはい個人的に。

 ◾️神谷嬢、濡れ場の演技に変化!
 いやあ、これ感じたのは筆者だけでしょうか。本当に細微な、髪を毛先だけ切りました程度の変化なので、どこが?といえばそうなのです。筆者が感じたのは、いつもの臣さんより受け受けしさが増している!という印象でした。これまでよりも抑揚のついた演技が、エロみを増していると思いました。勘違いだと言われればそうなのかもしれない。ただファーストコンタクトの直感は「なんかいつもよりエロいな」だったので己のエロセンサーを信じる。濡れ場に入る前の

 「それとも慈英、したくない?」

 はさすがの破壊力ですよね。女王君臨という感じです。

 ◾️アイン・ブラックマン
 名前がもう鬼の金棒みたいな強さだよね。冒頭に出てきた、慈英の盗まれた習作を買い占めていた人物が実はアインなんですね。この人、御崎さんから紹介されるんですけど、くせ者ですわー。御崎さん人選もうちょっと・・・と聞いている側は思うのですが、慈英相手だとこれくらい強引というか、悪魔の選択できますみたいな人でないと引っ張っていけないのも確かではありますな。

 アインは真っ向から慈英の今の活動状況を否定。慈英が日本、というか長野の片田舎を拠点においているのは他でもなく臣がいるからです。アインはそれが慈英の才能を潰している、臣が自分のためにチャンスを捨てたと知ったら喜ぶのか、と半ば脅しに近いような文句で慈英をアメリカに引っ張り出そうとする。名前のイメージとおり鬼の金棒ぶんぶん振り回してくるな。アインは慈英が一番突かれたくないとこを突いてきましたよねえ。

 「1つのことに固執しているといずれつぶれる」

 こういう強い言葉って呪いに近いところがあると思います。実際そうなることは決まっていないし、未来は自分の選択次第でどうにでもなりうるのに、もう決定付けられた未来のように捉えてしまう。記憶障害の後遺症のある慈英は、余計に不安を煽られたのだと思います。しかもその呪いによって不幸を被るのが臣ですから余計に。臣を人質にとられたようなもの。アイン金棒振り回しすぎだわ!

 ◾️慈英×壱都、恐怖のトーク
 この二人の会話怖くないですか?慈英はもともと懇意の人間以外には上っ面の会話しかしない性格ですが、壱都には珍しく本音をぶつけているようです。壱都に関しては電波少年なので、ね。

 「命令するのなら、敬語はいりませんよ、あなたはいま、俺にお願いをしたわけではないでしょう」
 「そうですね、いまのはお願いではなかった」
 とか
 「(臣と一緒にいることを)邪魔するものはなにひとつ許せないほど」
 「それは、わたしのこと?」
 「そうだ」
 「うふふふ」
 いやいやいや怖い怖い怖い怖いなにこの会話、頭イかれてる同士の会話じゃん。慈英とかもう敵意むき出して言ってるのに一切動じないどころか笑い出すとか・・・。途中ちょいちょい豆剥けよっていうのが面白かったですけど。いや絶対ないですけど、隣でこんな会話してる人いたらぎょっとするわ。

 一連の流は占い師と相談者のような雰囲気でしたが、慈英はこういう非科学的なことは信じるような質じゃなさそうな印象だたったので、意外でしたね。絵画は宗教や非科学的な信仰と切り離せない関係があることを考慮しても、慈英自身が当事者になることはイメージできない。慈英も記憶障害やその後遺症と海外進出の話で弱っていたということでしょうか。

 ◾️臣に問う
 本作では慈英がぐらぐら苦悩しているような印象が強いですが、慈英の気持ちはいつも変わっていないと思っています。なんなら悩みの種は臣の方にある。アメリカ進出の話にしても、慈英には臣と離れるという選択肢はないわけだから、それを受けて答えを出すのは臣ということになります。でもその話を臣にしたら耐えられないと考えた慈英が、抱え込んで痛みを肩代わりしていたようにも思えます。そうやって臣のことを思いやると同時に記憶障害のときに知った、慈英のために慈英を捨てることができる臣の優しさが、慈英にとっては恐怖だった。だから慈英の言った臣に決めてもらう必要がある、という言葉はそうなんですよね。慈英にとって、臣が運命共同体であることは絶対。ということは、やはりあとは臣次第。きつい言い方をすると、これまでは二人とも「一緒にいるだけで幸せ」みたいなキラキラワードのなかでぬるま湯に浸かっていた。そして実際、表面上はそれで問題はなかった。けれどそれがアインの金棒によって亀裂が入るわけですな。

 臣と慈英が話し合うシーンでは、これまでのシリーズを思い起こさずにはいられませんでした。出会いからこじらせにこじらせつつ成就した二人が積み重ねてきた7年間。そしてそれが幻だったのかと思わせるほど一瞬で崩れ去った慈英の記憶障害。その後遺症に苦しめられているところに、ロンギヌスの矢のごとく飛び込んできたアメリカ進出の話。そしてここでもう一度、二人がお互いの人生を尊重しながら、そしてそれによってなにかを捨てることなく、一緒に生きていこうと決意する場面になっているなあと沁み入りました。

 それにしてもなぜ臣は別れ話をされると思ったのでしょうね。縛りつけたいとは思っても別れるという選択肢は絶対にあり得ない。7年間も一緒にいて、慈英がある意味で歪んだ執着をどれだけ自分に向けられていたか気づいていないのか?だとしたらスーパー鈍感野郎だよ・・・。

 ◾️蒼天で昇天
 そうだよダジャレだよ。臣愛が余りに余って書いた絵を本人に見せながら致すという暴挙に出た慈英さん。(画家として当然のプレイだよな☆)

 「絵でいったの」

 ってものすごい台詞ですよね。CDだと分かりにくいかもしれませんが、原作で読むとバッチリいっちゃってます。もうなんなんでしょうねこのセクシーモンスターは。(ネーミングださ)末恐ろしいわ。

 久しぶりのロングベッドシーン。攻めてる最中気持ちよさの余り声が裏返る三木さんだとか、セクシー増し増しの神谷さんを堪能できる濡れ場になっております。

 ◾️そういえば三島が瀕死だぞ
 すみません、ここまでろくに触れてこなかった三島!三島は壱都の身と団体を守るため、重田を告発して引きずり下ろそうと奮闘した結果、重田の残党に殺されそうになるわ、壱都も祭りで殺されそうになるわで、二人ともえらい目に遭ってます。物語も三島の事件と並行して進んでいくのですが、三島の奮闘記よりもむしろラストの部分に繋げるために必要な話だと思うので、メイン二人を中心にレビューしました。で、そのラストで判明したのは、臣の母親が三島や壱都のいる宗教団体「光臨の導き」に入信していた可能性があるという事実です。前身の光臨会の名簿のなかに名前があり、残された写真に臣によく似た女性が写っていたことから、臣の母親本人である可能性が高まりました。さあこれから入籍すんぞってときにまたきたぜ・・・。次巻も荒れそうです。

 ◾️筆者の願いが届いたミニドラマ
 本作は初回限定特典でミニドラマがついてくるのですが、以前筆者がぽろっとこぼした願望が公式になったぜおい!しかも忠実かつ過激にね!

 ・寝込みを襲う
 ・謝りながら素股

 これが筆者の妄想したプレイですが、公式では本番までがっつりいっちゃってました。ありがとう公式!皆さんご存知セクシーモンスターの臣さんですから、もちのろんでそのまま乗っかっちゃいます!

 「したいの、お前だけだとかおもうな。バカ」

 ってかっわいいのなんの。筆者は受け様の言う「変態!」が大好物なのですが、そう言いつつこの台詞ですよ。さすがミスターセクシーモンスターだな。(余計ださい)

 で、これは余談なのですが、「あざやかな恋情」で臣さん自分だけ絶頂して眠くなったときにこう言ってるんです。

 「なんなら俺、寝てもやっちゃっていいから」

 いいって言ってんじゃん!いいじゃんいいじゃんEE JUMPじゃん!(古)

 ◾️末筆
 タイトルがごりごりサスペンスとか書いたくせに、サスペンス要素のところほぼ触っていなくてすみません。三島、瀕死の重体にまでなったのにごめんな。

 本作は恋人になって7年が経って、慈英が事件に巻き込まれて記憶障害を起こしたり、それが回復したと思ったら後遺症に悩まされ、さらに別方向からアメリカ進出問題も浮上して、一難去ってまた難何なんみたいな状態の二人が、決意を新たにしたところでまた新たな問題が降ってくるという流れでした。なかでも特に慈英のアメリカ進出は、大きなポイントだったと思います。アメリカに行くか行かないか、一緒にいるか離れるか、そんな狭っ苦しい二択ではなくて、全部叶える選択をとった慈英と、どんなことがあっても一緒にいると決めた臣は、ここからまた再スタートを切るのだなあという気持ちです。

 次回、シリーズ最新作!臣の母親はなぜ宗教団体に!?鬼の金棒ぶんぶん丸アイン!崎谷はるひ原作!「あでやかな愁情」レビュー