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君の「おいしい・・・・・・♡」が聴きたかった!お帰りなさいませ和貴お坊っちゃま!3rd.和泉桂原作!「終わりなき夜の果て」BLCDレビュー

 普段からその素性が外に漏れ出ないよう自粛が染み付いている我々腐民ですが、そのうえ不要不急の活動自粛だと!バカヤロウ!腐民は普段から家で一人にやにやしながら楽しむ生きものなんだよ!自粛などせんでも自宅警備隊で通常運転。よっしゃ不眠不休でBLCD聞こ!

 はい。ダジャレクソジジイはここまでにしてですね。和貴メインカップル第3弾ー!いやすごいですね。このカップルだけ第3弾まであるとは。それだけ人気の高いカップルということだな!今回はまた昼ドラを見てるような展開に次ぐ展開でね!崖が出てきたりしてね!火サスばりのロケーション!そしてついに、8時だよ清㵎寺家全員集合も聴きどころ!清㵎寺家ってパートナーも男だから男体盛りすぎて、筆者は勝手に兄弟10人くらいいる、みたいな印象を抱いてまして。全員集合のシーンを聞いて改めて3兄弟だったわ!と再認識するポンコツっぷり。

 ということで今回は特に怒涛の3枚組ということで聴きごたえ満載!清㵎寺家シリーズ第1部完結をとくとご堪能あれ!

 ※本記事では和貴メインカップルを中心にレビューしていきます 

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 作品名:終わりなき夜の果て
 [原 作]和泉桂 著
 [レーベル]ムービック
 [発売日]2010年 10月 27日
 [メインキャスト]深沢直巳(CV.小西克幸)×清澗寺和貴(CV.野島健児)
 [設 定]元秘書 × 次期当主
 [ジャンル]大正ラブロマンス
 [エロ度]☆★★★★
 [ラブシーン回数]4回
 [ラブシーン分数]20分33秒
 (1回戦,0:45 / 2回戦,5:25 / 3回戦,10:09 / 4回戦,4:14)

 あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 鞠子の婚約者として清㵎寺家に入ってきた深沢は和貴のそばにいて脆く弱い彼を支え
られるよう婚約を解消し、正式に清㵎寺家の養子となる。没落しかけていた清㵎寺家は
深沢の秀でた手腕と次期当主である和貴の努力により安定を保つようになった。そんな
とき二人の前に深沢の義理の弟が現れる。弟から深沢の過去を聞かされた和貴は自ら
身を引こうと決意して・・・・・・?
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 ■狙われる!昼は秀才、夜はお尻ペンペン調教師の深沢くん

 鼎国紡績の若き青年実業家、久慈から熱烈なオファーを受ける深沢くん。没落しかけていた清㵎寺家を立て直したその手腕は、財界へも知れ渡るところとなり、引く手数多。しかし深沢の方は金や地位、権力といったものに全く興味がない。深沢のなかにあるのは和貴への奉仕、常にその一点のみ。和貴に捨てられるまで離れるつもりはないと突っぱねます。ここのモノローグで、

 「甘く儚い夢。それを終わりにする権利は常に支配者だけが握っている」

 とあるのですが、これはやはり和貴のことなのでしょう。表向き、支配しているのは深沢のようでその実、和貴に魅了され彼のためだけに全霊で身を捧げているのは深沢の方であり、和貴に不要だと言われればそれこそ生きる意味を失ってしまうドS攻めの脆さ!萌えだねえ。表には出さないだけで、和貴との今の関係を「儚い夢」だなんて、かわいいやつじゃねえかってね?離れに監禁したり雌犬だと罵りながら嬲りたおしている男が言うからまたずるい!

 ■面白いように思惑とおり自滅していく和貴

 さて、毎度お馴染み和貴さんのネガティブ劇場ですが、今回もこれお家芸なのでね、元気にやっておられましたよ。深沢の義弟と名乗る者が現れて以降、不自然に重なる出来事が和貴を追い込んでいきます。

 追い込み漁その1.深沢の義弟が現れる

  ・・・・・・そういえば深沢の家族のことなにも知らなかった凹

 追い込み漁その2.久慈から深沢を思うなら自由にしろと言われる

  ・・・・・・正論だから言い返せない凹

 追い込み漁その3.冬貴が倒れる

  ・・・・・・父が亡くなったら今度こそ本当に一家を背負わなければならない凹

 追い込み漁その4.義弟から深沢が家族を捨てたのは清㵎寺のせいと言われる

  ・・・・・・自分は深沢に家族を捨てさせた凹

 追い込み漁その5.深沢が出張で不在・

  ・・・・・慰めてほしいけど父に似ていく不安な気持ちを知られたくない凹

 追い込み漁その6.今度は自分が体調不良

  ・・・・・・深沢がいないからおじさまに慰めてもらおう凹

 追い込み漁その7.体調不良なのに深沢からお仕置き

  ・・・・・・深沢をこんな鬼畜にしたのは僕だ凹

 結果・・・・・・そうだ、別れよう。BL東海

 実はこれらのほとんどの出来事は、鼎国紡績の久慈が深沢ほしさに仕組んだことだとのちにわかります。久慈はこうなることを見込んで仕掛けているわけですが、その思惑とおりに自滅していく和貴が滑稽です。過去に深沢から、愛するがゆえに手を離すことはするなと散々忠告されたことも忘れてな!(おまえそんなんだから周りからちょろいと思われるんだぞ!)

 ■怒られているのに感じちゃうなんて不謹慎ですよ!和貴お坊っちゃま!

 存在しない清㵎寺家のモブ使用人目線で言ってみました。ええ、毎晩二人の寝室に聞き耳立てに行ってます。

 まあ成長しませんこの人は本当に深沢の気持ちをわかっていない!おじさまと前戯するのはセーフって思ってるっしょ!いやアウトよ!?深沢に迷惑かけまいとしておじさまに甘えるわけですけど、逆に迷惑っていうね。仕舞いには「もっとゆっくりしてくればよかったのに」ってそらあ深沢さんも怒りますよ!激おこプンプン丸ですよ!(古)

 不謹慎その1.乳首をつねられて「ひゃは♡」

 不謹慎その2.精液をかけられるのが好きか?「すき、すきぃ、そこ、いい(アヘアヘ)」

 不謹慎その3.凌辱されているのに感じているとはおぞましい「いっぱい犯して♡」

 深沢にされることなら凌辱ですら快楽に置き換わる和貴様の受難。それでまた快楽に溺れた自分に自己嫌悪。散々快楽を貪っておいて最後に一言「出ていけ」ですからね?そりゃないぜ和貴お坊っちゃま!とモブ使用人は思うのだった。

 と、いいつつもやはり濡れ場は別腹!呂律回ってなくてアヘアヘしている和貴がエロい!最後の方は「ほしい」と言いながらヘラっと笑っているような演技があってゾクっとしました。これが性を貪る清㵎寺の本性なのか!と再認識させられました。

 ■実家に挨拶・・・・・じゃないんかい!

 深沢と別れてこの世の終わりな和貴に追い打ちをかけるように、上海で働く道貴が暴動に巻き込まれた可能性があるという一報が入る。それを聞いた和貴は、単身上海に行くため、高速連絡船乗り場へ向かうとそこには深沢が待っていた。休暇をとってもらうと言って二人は深沢の実家のある金沢へ向かう。ここが実家だと訪れた場所には朽ち果てた廃屋があった。そこから林を抜けると、崖の下に荒々しい波が打ちつける海となっている。ここから母親が自害したこと、その後養子に出されたという深沢の壮絶な過去を知らされる。そして深沢は自分の存在だけでへし折れる和貴ならば、自分の過去を背負いながら死をもって壊れてくれと、和貴の首に手をかけて、私もすぐあとを追うと言った。自分が深沢に殺されることは望んでいても、深沢には生きていてほしいと思い直した和貴が生きたいと声を絞り出し、こと無きを得る。

 このシーンはじまったとき、思わず「うそでしょ?」と声をあげてしまいました。手にかけたいほど愛しているとは言ったものの、実際に実行するとは思っていなかった。深沢にしても脆いところがあるので、和貴とともにいられないのであれば時間を永遠に封じ込めてしまえばいいと考えに至るのかなと。

 ただ、やはり和貴は自分のことばっかりですよねえ。てめえは愛する者に殺されてそれで満足だろうけど、そのあと深沢がどうなるのか全く考えていない。深沢が死ぬこともそうだが、深沢に手をかけさせて犯罪者にすることになにも思わないのか。和貴が死んで深沢を一人にすること、それはつい先まで糾弾していた深沢の母親と同じことなのではないか。和貴って全部が逃げなんですよね。痛い、苦しいことがとにかく逃げたい。そうなるのも仕方のない業を背負ってはいる。けれどやっと深沢という伴侶に出会って、捨てられないかぎりは一緒にいると言ってくれたその気持ちのとおり養子にまでなってくれたのだから、一緒にいることがどんなに苦しくても一緒にいるという覚悟をもちなさいな!とね、清㵎寺和貴というキャラクターを愛するからこそちょっと説教くさいこと考えちゃったモブ使用人でした。

 ■香水瓶の次は尿道プラグがキタ!

 香水瓶やらペーパーナイフやら道具プレイがしばしば出てくるこのお二人ですが、生活用品から専用品へグレードアップ。冬貴が倒れて大変なときにわざわざ出張延長してまで特注で作らせた逸品。こんなこと言いたくないけど、これいつ使う気だった?崖で死んでたらあんた証拠品として尿道プラグ押収されるとこだよ?ってそんなツッコミはさておき、清㵎寺家シリーズでは珍しくもなんともない10分超えの大ボリューム。さっきまで死のうとしてた人たちとは思えない生命力をみせています。

 生の喜びその1.深沢さんの息子さんをしゃぶりたくてハァハァしちゃう和貴氏
 生の喜びその2.はじめての尿道プレイだけど名前を呼び捨てされてなんなく絶頂
 生の喜びその3.呂律の回っていない「おなかにかけられて、いきたい♡」
 生の喜びその4.なおみと呼ぶだけで快感を得られるスーパー受け様
 生の喜びその5.もはやジョンとヨーコのように名前を呼び合う二人

 そしてここからがまたすごい。だいたい1回戦終わったらそのまま次の展開に話が進んでいくパターンが多いのですが、このトラックでは10分の濡れ場が終わって会話したあとまた2回戦がはじまるんですよ!しかも4分も!さすが清㵎寺家シリーズ。ヤることが違います。

 ■清㵎寺家の結束

 これまで清㵎寺家を聞いてきて、やはり特殊というか、その特殊さゆえに苦しんだり家族を憎んだりしているところが目立って、あまり仲睦まじく一家団らんするような家庭ではないなという印象を持っていました。そもそも同族婚を繰り返していた一族ですからね。一般的な家族とは比べようがないので、発展途上国で都心部から5時間くらいかかる場所にある特殊な文化と風習をもつ村、みたいに考えた方が納得する感じですね。

 そんな殺伐とした清㵎寺家の皆さんが一挙に集まり、実は生きていた国貴と遼一郎の二人を陸軍から逃がそうと団結するシーンや、和貴を拒絶して逃亡したわけではないのだと兄弟が和解するシーンなどは、清㵎寺家の”家族”を垣間見ることができる印象的な場面でした。

 冬貴は相変わらず温かいか寒いかしか言ってないので、お前もうちょっと働けやってことで、陸軍が裏門まで見張っているシーンでは憲兵を冬貴がたぶらかしてもよかったですよね。お父さんやるな!やってることいつもと同じだけど!みたいな。そんなことしたら小綺麗なシーンに違和感バリバリ伝説な件・・・・・・。

 ■清㵎寺家は棺

 これまで和貴をみてきて、単純になんでこの人こんなに家が嫌いなのに家を出ないのかという疑問がずっとありました。ここまで清㵎寺の呪縛に苦しめられる人生は苦行の何者でもないでしょう。和貴にとって清㵎寺とは破滅させてやりたいほど忌み嫌うもの。ならば家にいる必要は全くなくて、全部やめて家を出てしまえばいいと思います。兄も家出しているとか、弟と妹たちに迷惑がかかるとか、清㵎寺がなくなったら会社は、使用人はどうするとか、そんなことは考えはじめたら自分の人生など一生送れやしない。そうなったらあとは弟妹たちが本人で判断すればいい。現に冬貴は自由に生きろと野放しにしているわけなのだから言葉とおりそうしたらいいんです。あとはどうにかして清㵎寺家を守りたい義康がどうにかするでしょう。そのくらいの奔放さがないと、清㵎寺からは本当の意味で離別することはできない。

 しかしそれでも恨んでも憎んでも清㵎寺家に拘っているのは、実は和貴自身なのだと思います。清㵎寺の外で生きる選択をしない和貴は、結局のところ清㵎寺家にいることを自ら望んでいるといえる。それは兄弟妹や義康や冬貴に対する情からくるものが非常に大きいのではないか。外に出たからといって家族を見捨てたことになるわけではないのだから、あえて家を継ぐことを選ぶ和貴(深沢の存在や自己犠牲の質も大きいが)は、憎みながらもやはりそこには能動的で積極的な意志が内在しているのではないかという私見に至りました。(真面目か)

 ■末筆
 これにて清㵎寺家シリーズ第1部完結と相成りましたー!イエイイエイ!和貴メインカップルを計7枚のCDで追いかけてきたわけですけれども、全く成長しないよね和貴ちゃん!その筋金入りの和貴に150km投球する深沢なんだけど、全部無効化されるというね。ずっと体育座りで膝抱えてるから取れっこないね!これもしかしていじめられてるのは深沢の方なんじゃないかと思ってきますね!ひどいのはどっちなんだっていう。

 なにはともあれ特注の尿道プラグまで作ってもらったんだから、もう離れるわけにはいきませんよね!(違)最後のシーンで深沢に膝枕してあげると言われて、絶対膝枕だけで終わるわけがないのに本当に純粋に「いい夢見れそうだ」なんて言ってのける和貴は鈍感力400%を越えています!(某マヤ)

 あと本編で冬貴が栄養失調で倒れましたけど、あれ?冬貴ってF●teの同人誌みたいに精液で魔力ならぬ栄養補給できる仕様じゃなかったっけ?(できるか)

 冒頭で兄弟10人くらいいるイメージがあるという話を書いて、でも冬貴だから他に子供作ってる可能性120%あるな→するとその子供は男だし、性欲も性感ももちろん容姿も抜群の、我々としてはおいしいサラブレット子孫が増えていくじゃん→気になって調べたら婚外子編、あ る や ん !貴郁編「暁に堕ちる星 」では冬貴の婚外子、貴郁がお義父さんとお義兄さんにぐでんぐでんにやられちゃう!?いや、え、ちょっと待って。それわしの大好物ですやん!ってことで音声化しましょう!

 冬貴なんか婚外子山ほどいるだろうから婚外子アイドルグループとか作れそうですよね。「性KANJI」みたいな名前の。(謝れ)

 おふざけはこのくらいにして、次回は本作にも登場していた道貴メインカップルを書きます!


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