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けんちゃんが先っぽだけ受けます!攻守交代か!?崎谷はるひ原作!「不条理で甘い囁き」レビュー

 先日ピーカンだったので、ダウンジャケットを自宅で洗濯しました。洗濯機は使えないので風呂場で押し洗いして、脱水かけて、風通しのいい場所で乾く間に何度も羽毛をほぐす・・・・・・。ってめんどくさっ!デブにはオーバーワークの疲労感。あともう1着ありますが贅肉だらけの重い腰があがりません。どうも。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今回も前回に引き続き不機嫌シリーズ第2弾でございます!このシリーズ最大の特徴は、受けも攻めも両方甘い。片方じゃなくて両方だから、イケボとイケボが砂糖ぶっかけ合ってるみたいなCDです。(ひゃだ!べっとべと!)コンクリートジャングルに疲れて、重たい話聴ける体力ないわーみたいなときにちょうどいい作品ですね。ストーリーもしっかりありますし、萌えもエロも十二分に入れてくれてる、そしてちょっと笑っちゃう。そんな癒し系CD、お求めですか?

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 作品名:不条理で甘い囁き
 [原 作]崎谷はるひ 著
 [レーベル]Atis collection
 [発売日]2011年 8月 28日
 [メインキャスト]羽室謙也(CV.高橋広樹)× 三橋颯生(CV.鈴木達央)
 [設 定]サラリーマン × 宝飾デザイナー
 [ジャンル]現代/お仕事/甘々
 [エロ度]☆☆★★★
 [ラブシーン回数]3回
 [ラブシーン分数]12分29秒
 (1回戦,0:21 / 2回戦,6:18 / 3回戦, 5:50)

 あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 羽室謙也は恋人である三橋颯生の家で卒業アルバムを見つけて、そこに写っていた
元彼のことを根掘り葉掘り聞き出そうとする。羽室があまりしつこい聞くので機嫌を
悪くした颯生と大喧嘩に。仲直りしたはずがホテルに颯生を残して一人帰ってしまっ
羽室。その後音信不通になり、別れを予感する颯生が聞かされた真実とは・・・・・・?
 颯生と仲直りして再起を果たした羽室だったが、仕事で接客した小池笑美理という
金持ちの大学生から熱烈な好意を寄せられ、付きまとわれることに。同時に羽室の
会社で開催の催事で窃盗事件が発生。颯生とすれ違いの生活に我慢できなくなった
羽室がとった行動とは・・・・・・?
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 ■けんちゃん祭りだワッショイワッショイ!
 本作は大きく2部構成になっており、1部は二人が大ゲンカする話、2部はけんちゃんが金持ちお嬢様に付きまとわれる話が収録されています。両方ともけんちゃんがてえへんなことになってます。

 <颯生大好きシンドローム>
 ガラケーのメールでケンカ、という時代を感じさせるシーンからはじまる本編。ケンカした理由も、かいつまんで言えば颯生のことが好きすぎるから。ってケンカの理由もラブラブかよ!学生時代に付き合っていた彼氏が自分に似ていると言われて「え、じゃあなんで別れたんだ!?」って不安になっちゃったけんちゃんは、どう付き合ってどう別れたんだなんだと、根掘り葉掘り質問攻めにします。そこで明智の名前を出されて、はい地雷!颯生様カッチーン。

 「ここで明智の話、蒸し返す?」


 うん。だから怒ってもかわいい颯生お兄さんだよね。さっきまでチチクリ合ってたのが嘘のような鬼の地獄トーン。でもかわいい。地獄でもかわいい颯生お兄さん万歳!

 <BOKKI-FUZEN>
 なんかアルファベットで並べるとエナジードリンクの名前みたいだな。あえて座禅をZAZENというカッコ良さ的な!?

 ってそれはさておき、このタイトルが示唆するもの、っていうか全部言っちゃてるけど、相当バーヤイな羽室氏。なんとですね、颯生に「エロでごまかすな」と怒られたことが原因で、インポテンツになってしまったのです!嗚呼、大切な攻め様のお殿様が!確かに颯生と出会った当初、彼は大真面目に言ってましたもんね。

 「遊びでもいいです」

 あーこりゃダメだ。思いっきり体だけ求めちゃってるわ。本人も導入部分で壮大に誤ったことを反省しているだけに、颯生から叱責されたことは相当精神的にこたえた模様。是非、同じ悩みを解決した百目鬼力さんに相談していただいて。(やめろ)

 <大人の階段のぼる君はまだシンデレラさ>
 インポテンツになってしまったけんちゃん。当然、芯のない棒は入りませんから?さあどうしよう!そうだ、受けよう!ってなんでやねん!流れでツッコミを入れてしまいましたが、まぁけんちゃんはなんて海の心なのだろうと思いますね。今までノンケやってた人とは思えない言動ですよ。

 「最悪、颯生が俺のこと抱いてくれればいいんじゃないの」

 なんなのこの子、仏なの!?颯生と一緒にいることが最優先であって、どっちがタチだネコだなんてことは重要ではないと!ちょっと!いい男!

 寛大な決断をしたけんちゃんですけど、実は颯生より別れを覚悟していたかもしれませんよね。だってインポテンツになったわけですから。恋人同士にとっては無視できない障壁ですよ。颯生から別れを切り出されることも十分考えたことでしょう。

 そして言葉とおり大人の階段のぼりました。先っぽだけ。(フィンガーの)おめでとう!(拍手)この危うい橋をよく書きましたよね崎谷さんも!地雷の人もいるでしょうに。挿すか挿されるか、スリル感を味わいました(笑)。

 また前作での立場が逆転した演出も笑っちゃいました。けんちゃんもちょっと吹っかけたつもりだったのでしょうね。颯生が存外本気の反応をしたので、

 「はいい?」

 って返すけんちゃん(笑)。右京さんばりの返しだなと、にやにやしながら聴いていました。
 で、結局颯生とちちくり合い対症療法によってインポテンツは完治するのでした。愛してると言われ、指輪を作るから薬指に着けてほしいと愛の言葉を交わしているうちに完全起立。よかったよ。颯生によって病み、颯生によって完治。因果応報だな。

 <言うよねぇ〜(by.はるな愛)>
 第2部では金持ち大学生のお嬢様から迫られるけんちゃん。けんちゃんには颯生という、受けても付き合い続けたい恋人がいるので、ここでもまた災難に見舞われることに。しかもお相手は顧客のご子女のため、無下に扱えないという足かせ付き。颯生からも優しくて穏やかと言われているけんちゃんは、さてどうやって断るんだ!えー前作に引き続き結構な右ストレートですよ。ただ相手がそれを上回るスーパーエクセレントポジティブでボディブローを入れてくる(笑)!ここで二人の戦闘の様子を見ていきましょう。

 1回戦.攻撃ターン笑美理→挨拶終わっても無言で居座る
  (あれ、挨拶したら終わりかと思ってたのに、なんでここにずっといんの)
  羽室:そういえばお誕生日を迎えられたそうですね。おめでとうございます。
  笑美理 :羽室さんもなにかお祝いしてくださる?
  羽室:わたくしどもの方からささやかですがこれを。(会社のノベルティを渡す)
  笑美理:おねだりしたみたい♡
  羽室:(いや、みたいって、おねだりしただろ)
  笑美理:うれしい。羽室さんからプレゼントなんて♡
  羽室:いえ、あくまでその、わたくしどもからの・・・・・・
  笑美理:大事にしますねっ!(食い気味に)
 \\勝者:笑美理//

 2回戦.攻撃ターン笑美理→バッグを一緒に選んでくださらない?
  羽室:いやぁ、わたくしはこちらのコーナー担当で・・・・・・
  野川:はむろー部長が睨んでるーーーー!
  羽室:ご一緒させていただきます。
 \\勝者:笑美理//

 3回戦.攻撃ターン笑美理→会社の前で待ち伏せする
  羽室:わたしは今、付き合ってる相手がいます。
  笑美理:笑美理、少しのおいたは目をつぶるつもりです。いずれ小池のうちに入り婿になってくだされば、それで構わないし☆
 \\勝者:笑美理//

 全戦全勝(笑)。筆者は笑美理、嫌いじゃないですねぇ。天然箱入り娘だけど、橋は叩かずに真ん中をスキップしながら歩きますタイプ!スピンオフ読みたいくらいには好きです笑美理。けんちゃんに振られたあと、彼女の軌跡が読みたい(笑)

 ここまで突き抜けているキャラクターなので、振られたときも5歳児みたいに泣いて駄々こねるんじゃなくて、最後まで笑美理節をとおしても面白かったなぁと思いました!

 斜め上をいく笑美理に負け続けたけんちゃん役の高橋さん、コメディうまい!間とか台詞のスピードとかものすごくはまってました!笑美理に対するモノローグでも、乱暴になりすぎない絶妙な塩梅のツッコミがお見事でした。

 ■エロくてかわいくてホロリと泣かされる
 筆者は崎谷さんの書く受けに弱いんですよねぇ。今回も泣かされました。まずは第1部の仲直りのシーン。実は学生時代の元彼との関係は明智と比べたらマシという程度で、決していい思い出とは言えないものだった。情けない過去を認めたくない颯生の強がりから傷つけたことを後悔し、けんちゃんに対して素直な気持ちを吐露するシーンに涙がホロリ。

 「好き言ってくれてセックスしてくれるだけでもほんとにうれしかったのに」

 この台詞の前のけんちゃんの台詞もいいんですよ。先っぽだけだけど受けてみて、攻めを受け入れる受けの体にとってどれだけ大きい負担がかかっているか、身をもって知ったけんちゃんが謝るんですよね。その優しさに崩れ落ちるように颯生が泣きながら言うんですよ。鈴木さんの泣いて最後まで言い切れない演技も素晴らしいし、颯生が話すと同時に絶妙なタイミングでいい曲が流れてきて、ジワーンと泣かせてくるシーンでした。

 次は第2部のおかえりシーン。皮肉にも笑美理の説得と窃盗事件が同時に解決して、久々に颯生とご対面。笑美理のことをけんちゃんが知る前から知っていた颯生に、心配じゃないのかと咎めるけんちゃん。信じているから心配じゃないと平静に答える颯生を見ると、言葉とは正反対な表情の颯生が切ない。

 「だって、俺それしかできないし。・・・妬いてキーキー言ってケンカしたりしたくなかった!・・・だったらさ、けんちゃんが居心地いいようにしてる方が絶対俺的には有利かなとかそう思ってさ」

 泣きながら言うの反則(泣)!颯生はけんちゃんが迫られているのを知っていて、しかもそういう状況のなかで本人には会えないでいることが、どれだけ不安だったことか。ここまでほとんど颯生の心理描写がないので、聴いている方も颯生の感情が溢れ出るのとリンクするようにここで一気に「嗚呼、颯生タソすごく不安だったのを我慢してたんだ!うわーん!」と感情が揺さぶられるシーンでした。

 ■ベストオブ颯生お兄さん
 泣かせたあとはちゃんと逝かせてくれる、しっかり者の颯生お兄さん。

 <ディスク1-トラック9から>
 大好き♡けんちゃん♡
 食べていいよね♡
 にゃに?いや?
 ちょうだぃ♡
 いっぱい、して?

 <ディスク2-トラック7>
 疲れてるのはわかったから。けんちゃんまずは靴脱いで?んんじゃなくて、靴。コートもほら。
 こーら!

 <ディスク2-トラック8>
 いいことしてあげる♡
 言うな!バカ!
 俺だってけんちゃんのことすっげー好きなんだから♡
 あぁんだめ♡

 ベストオブがありすぎてベストオブになってない。要は全部なんだよ!全部かわいいんだよ颯生は!おじさんだって毎日安月給のために人生の貴重な時間をくれてやってるんだから、いいことしてほしいんだよ!いいことしてくれよ颯生!

 すいません取り乱しました。取り乱すくらいかわいいね、颯生。エロエロな颯生お兄さんと絶倫大魔王のけんちゃんがおりなすエロコメ番外編も少々ご紹介。

 <インポテンツが治ったときのけんちゃん>
 違う意味で痛い、か、かも

 <先に達したけんちゃんがまだ元気だったときの絶妙な颯生の反応>
 え?

 <疲れてるはずだが颯生を目の前にして腰が止まらないけんちゃん>
 いっちゃいそう?いっていいよ、やめないけどね

 ■末筆
 いやー今回も甘々でエロエロで笑って泣けるエンターテイメントだったな・・・・・・。内容盛りだくさんなのに、低燃費で聴いていられてアルファーファだけが体のなかに染み込んでくる、そんな作品でした。なによりキャラクターがいい。一見優しくて穏やかなけんちゃんだけれど、実はストレートど直球で絶倫だったり、才色兼備でリア充っぽい颯生お兄さんだけど、ダメンズウォーカーで不幸な恋愛経験しかなかったりで、作品を聴くたびに新しいキャラクターの一面がみえて、どんどん愛着が湧いてじゃんじゃん課金したくなる恐ろしいシステム。

 また今回はけんちゃんが先っぽだけ受けたり、颯生による攻めに聞こえる言葉攻めがあったり、受けと攻めの垣根を超えたエッセンスが入っていました。これもまた違ったキャラの一面が垣間みえてセクシーだったなぁ。結局最後はけんちゃんの絶倫に返り咲いていましたが(笑)
 次回はけんちゃんの元カノが出てきて波乱の予感・・・・・・。次回もまたお付き合いください!


 次回、崎谷はるひ原作!『不謹慎で甘い残像』レビュー