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好きだ好きだ好きだ好きだ大好きだ!崎谷はるひ原作!「不謹慎で甘い残像」レビュー

 先日まじまじと己の膝を眺めていたら、あまりの太さゆえ膝の体をなしていない有様に「こんな膝あります!?」つって笑いが止まらなくなりました。どうも、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 不機嫌シリーズも本作で最後となりますが、そんな寂しさなど微塵も感じさせないド甘い二人を見せつけてくれますよ今回も!シリーズの特徴といえば突飛な設定や事件事故の起きない日常系で、攻めと受けの告白合戦が中心の話なのに、全く飽きないどころか聴いたあと続編を渇望して幻冬社にリクエストを送ったほどです。(ガチ勢)

 3作目でエッチでかわいい颯生お兄さんへの萌えがピークに達したため、語彙力低めでお送りします。(おい)

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 作品名:不謹慎で甘い残像
 [原 作]崎谷はるひ 著
 [レーベル]Atis collection
 [発売日]2013年 5月 28日
 [メインキャスト]羽室謙也(CV.高橋広樹)× 三橋颯生(CV.鈴木達央)
 [設 定]サラリーマン × 宝飾デザイナー
 [ジャンル]現代/お仕事/甘々
 [エロ度]☆☆★★★
 [ラブシーン回数]3回
 [ラブシーン分数]10分39秒
 (1回戦,1:21 / 2回戦,4:20 / 3回戦, 4:58)

 あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 宝飾デザイナーの三橋颯生は恋人である羽室謙也との同棲を決めて、謙也の家で引っ
越しの片付けをしていた。そこで謙也の元彼女、祥子のピアスを発見する颯生。高価な
そのピアスを持ち主に返すよう颯生に促され電話をかけると、謙也の家にしばらく泊ま
らせてほしいと強引に迫られて・・・・・・?
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 ■ラブラブ超えてラブラブラブ

 今回物語の波として、元カノが出てきたり、小池笑美理様の再襲来があったりします。笑美理は特殊要員として、元カノの登場というとバチバチの波乱が起きそうなものですが、なんでしょう、筆者はまるで意にも介さず、さざ波すら起きない穏やかな湖で朝日を眺めるくらいの面持ちでおりました。なぜかといえば、二人の愛ラブユーが強すぎて元カノも笑美理も霞むからだよ!

 今回も安心と信頼の颯生&謙也カップルでした。このカップル、強靭な相思相愛でお互いの胸に穴が空くほど思い合っているので、問題にぶち当たったときに自己犠牲を払って「あなたのためを思って別れる」的な展開への不安が一切ない(笑)颯生はゲイ歴が長いので、ネガティブ思考が慢性化していて若干危ういところはありますが、基本はやはりポジティブ。自虐的に「俺なんかと・・・・・・」などと言ったりしないし、それよりもけんちゃんと一緒にいたいという気持ちの方が強いように感じます。そして颯生以上に、というか斜め上から颯生を愛でるけんちゃんからは、別れのわの字も垣間見えない。ちょっとたまに気持ち悪いくらい颯生愛がゴイゴイスー!

 そんな二人なので本当にポジティブに聴いていられる。二人の会話シーンがほとんどなので、なんというか外には見せない二人だけの超個人的空間を、それこそ壁になって聴かせていただいているようなリアルを感じる・・・・・・。ラブラブ超えてラブラブラブだったぜおい。by.妖怪腐壁(ようかいくさかべ)

 ■「颯生かわいい」しか言えNight

 とにかく颯生がかわいいっていう語彙力低めの感想しか出なくなった筆者。(いやいやレビューどうすんだよ)颯生が鈴木達央で、鈴木達央が颯生で結果颯生がなに喋ってもかわいいのでかわいいしか言えなくなった次第でございます。

 <かわいいを超えてくる鈴木達央>
 adorable destroy!!!!!かわいいでは足りないなにかを確実に超越した鈴木達央さんの演技に感服。鈴木達央さんが演じると、演じているのに作ってる雰囲気を感じさせないというか、ご本人の素なんじゃないかと思わせる生々しさを感じるのです。

 でもなんか、寂しいなぁと思うときって、すっごい好きだなぁとか思うわけで。だからそういうのも、あとちょっとだから、味わっておこうかな〜とか、ああ俺なにいってんのかな、ああううバカみたい♡

 もうここの下りなんか、わあああああ!ってなりましたよ。恥ずかしいからぼそぼそ喋ってる感じとか、恥ずかしいけど恋人に向ける甘ったるい話し方も少し入っていたりしているんですけど、かわいさをわかりやすく演出しているような雰囲気はどこにもないんですよ!そこがすごいのよ鈴木達央さんは!はあああ末恐ろしい子!

 喋ってるだけでかわいいがダダ漏れなので、全部かわいいのですが、これもまた卒倒もののかわいさだった!

 「けんちゃん好き♡」
 (ディスク2-トラック8:濡れ場で拗ねる颯生にけんちゃんがキスしたあとの一言)

 KO RO SU KI KA と思いますね☆快感の余韻がじんわり残る体から発せられる激甘トーンボイス!悩殺必至!

 <バカ♡祭り>
 過去記事でも書いているとおり、筆者の性癖です。

 バカ♡とは、攻めの過剰な愛情表現に対してその照れからバカという罵りの言葉をしかし愛情をもって返すこと。

 この筆者の大好物をしかも颯生が言ってくれる贅沢!本作では驚異の7回!颯生にバカ♡って言ってもらうために進んでバカになろうと思う。個人的にベストだったのがこちら。

 「もうバカ♡」
 (ディスク2-トラック8:濡れ場でけんちゃんに俺以外に抱きつくの禁止と言われたとき)

 たまんねえな!「バカ♡」に「もう」付けるのはすいませんけどこれオプション料金かかりますよお客さん。

 ちょっと冷静になって考えると、こんなにかわいい颯生がセックスしているところを聴いているという事実がやけに生々しく思えてきた。いいの?聴いちゃっていいの?おじさん本気で聴いてちゃうよ?っていう妖怪腐壁の気持ち。

 ■颯生ヲタ、けんちゃん(性欲強め)

 けんちゃんがたまに彼氏じゃなくてヲタクになってるときがあります。いやいやいやそれこっちの感想だから取らないでもらえる?などとツッコミを入れつつ激しくけんちゃんの興奮に共鳴を覚える筆者。

 推しの颯生その1.この肩越しのアングルすごくいい
 推しの颯生その2.俺いつか颯生がかわいすぎて死ぬと思う
 推しの颯生その3.寝起きの颯生がかわいくてBOKKIする
 推しの颯生その4.胸なら俺、自分で触ろっか?にシンクロ率400%をマーク
 推しの颯生その5.颯生メガネスタイルに萌える

 このように颯生のことをしばし「推し」の尻を追いかけるファン目線で愛でる節があります。当事者であり、こちら側と同類の感覚で颯生を愛でているなどと、このうえなくズルい男としか言いようがない。

 けんちゃんはシリーズ1作目のときに凝り性な性格であるとあり、颯生との濡れ場においてもその性格が発揮されています。物心ついたときからゲイの颯生を引かせるほどのプレイを次々に繰り出しており、颯生からは「開発してんのはどっちだよ」とツッコミを入れられる始末。颯生とのはじめての夜も大自然の摂理のごとく流れでアヌスへ挿入。濡れ場では毎度颯生の方がヘロヘロになっていますが、本作のなかで手加減をしていることが判明。嘘だろ。

 「颯生が気持ちいいってとこでいつも止めてるよ」

 怖っ!え?もしかして一日中入れっぱなし説リアルなの?颯生相手だとマシンのごとく起きているかぎり持続し続けられると!怖っ!(2回目)一度インポテンツになった人間とは思えない言動だなおい。

 ■トランスセックス

 颯生、キマっちゃってやす。漢方で。強壮剤の効能があるガラナ入りのドリンクを飲んで効果てき面!興奮して息が上がっている颯生がいやらしい!これはゲイ向けのクラブイベントで起こるのですが、都合のいいことにヤリ部屋と呼ばれるプライベート空間があったので、もちのろんでGOする二人。

 「けんちゃんのじゃないとやだ、熱いの、おっきいの、俺に入れるのがいい♡」

 こんなエクストリームいやらしい台詞も素直に言っちゃうほどキマってる颯生お兄さん。けんちゃんもけんちゃんでガラナ入りドリンクで多少の影響があったようで、部屋に入るやいなやアダルトグッズを使って颯生に言葉責め。

 「おもちゃ使ったことある?・・・・・・あるんだ?」
 「ここ?トロトロにしたの?よかった?」

 アダルトグッズを使っている颯生を想像して興奮する狂気の颯生ヲタですよ。といいながら筆者もそれを想像して内心ドンドコ太鼓を鳴らして踊り狂っております。

 ■涙腺スイッチ

 涙腺スイッチが完全に颯生にロックオンされている筆者。今回も泣かされました。

 韓流スターが目的の元カノ祥子とレセプションパーティーへ参加したけんちゃんは、またも笑美理の襲撃にあいます。笑美理を追い払う目的で、婚約していると言い放つ祥子。それを聞いていた颯生が、二人になった休憩室で正直な気持ちをけんちゃんに吐露したその台詞がたまらなく切なかった!

 「俺じゃあそこまで堂々と婚約とか絶対に言えないから」

 これまで元カノにピアス返すように言ったり、元カノを心配するけんちゃんも受け入れて、さらにレセプションパーティーに同伴することも受け入れて、演技とはいえ腕組んで婚約してると他人に公言している姿を見させられる颯生を考えずにはいられない。

 交際相手の元カノの忘れピアスなんかどうだっていいじゃないですか。けれど颯生は道徳心から連絡をとるよう言う。その言葉によって結果的に生じた祥子との接触も、けんちゃんが祥子を心配していることも、颯生が嫉妬心むき出しに感情を出さないことも、道徳的ではあるけれど、そこにネガティブな感情は絶対あるはずなんですよね。颯生は菩薩じゃありませんから。けんちゃんの言葉を信じて、そして受け入れて受け入れて最後、男女の「婚約」という言葉を聞かされた颯生の心境たるや!これまでも多少の嫌味は言ってましたけど、祥子とけんちゃんの腕を組む姿、そして「婚約」という
強い言葉を聞いて決定的な弱音を吐いたんだな、と感じて目頭が熱くなってしまいました。

 しかし一方で颯生が道徳的な行動をとれたのは、けんちゃんがぶれることのない愛情を颯生に伝える努力をして、颯生が不安よりも信頼に重きをおくことができていたからだな、とも思いました。お前ら・・・・・・控えめに言って最高だな!

 ■末筆

 不機嫌シリーズ3部作、いかがでしたでしょうか。この二人はラブラブだけど、なんとなくバカップルとは呼びたくない感じなんですよね。それは原作の著者である崎谷はるひさんの分厚いキャラクター描写がそうさせるのかなと思っています。甘えるのも意味があるし、萌えのために萌えを書いているのではなくて、物語のなかに萌えがある、といいますか、台詞と物語が乖離せずちゃんと一体化しているのに萌えがこれでもかってほど散りばめられている印象です。その台詞を生かしている声優さんの力も非常に大きく、音がのることで音声ドラマと原作の相乗効果を最大限に引き出すことに成功した最たる作品の一つだと思います。

 颯生役の鈴木達央さんにおいてはここまでガッツリ甘い演技はなかなか他では聴けないレベル!かわいい系はかわいい系でも倖田來未系。かわいいもセクシーも両方できます、という濃厚エロかわキャラクターはここだけの限定販売!これで終わってしまうのはあまりにも悲しすぎる!続編希望で颯生&けんちゃんを永遠に補給し続け隊!だってまだ颯生のドライオーガズムを聴いてないからな!これを聴かないと墓場に行けない!ってことでガチで幻冬社へリクエスト送りました。皆も送ろう!


 次回、BL界で最も濡れ場をリアルに演じる声優、興津和幸さん特集!